部会・委員会

次世代センサ協議会の新しい活動

次世代センサ協議会は「センサ技術の発展と普及」に貢献することを目的に、発足以来各種の講演会、シンポジュウム、セミナー、研究会、テクノスクール、総合シンポジュウムなどを開催し、大きな成果をあげてきました。しかし、近年センサの応用範囲が広がるに伴い、更なる発展が期待されています。

これに応えるために2013年に組織を一般社団法人とし、事業委員会を設け、各種の新しい活動を開始しました。目的はセンサに関する学術・産業振興、センサ市場の啓発、シーズとニーズの出会いの場の設定から事業マッチングの実現、他組織との積極的連携とそれによる各種事業の実践、です。

今後に期待される新技術を議論するシンポジウム、現在の技術の最新動向を知るセミナー、主として会員を対象とする相互研修の研究会、新人研修などのチュートリアルなテクノスクール、新しい産業の創出、育成に貢献する課題研究会などを行っています。


ユーザ連携研究会の活動

計測センサの技術には世界的にも多額の研究開発投資がなされ、多くの成果が報告されていますが、実用化されているものは意外に少ないのが実情です。このためシーズから新たなニーズを探す活動が多くの機関で行われていますが、必ずしも成果はあがっていません。一方、世の中には適切なソリューションを必要とする計測センサのニーズが山積しています。

次世代センサ協議会ではこの課題に対応して「センサの実用化を支援し、産業と科学の発展に寄与する」ことを目標に、ユーザ連携研究会の活動を開始しています。ユーザと一体の研究会で真のニーズを開発するもので、他には無いユニークな活動です。既に下記の研究会の活動を開始しています。この他にも、ヘルスケア、アグリ関係の研究会の検討をしています。


社会インフラ・モニタリングシステム研究会

2008年から8回にわたるシンポジュウムの実績を基に2012年に発足しました。大学、土木研究所、土木学会、などの研究機関、道路、橋梁、トンネルなどのユーザ(公団など)、計測センサシステムメーカ、コンサルタンとなどが活動に参加しています。現在30社近い企業が会員となっていいます。


海洋計測センサ技術研究会

周囲を海に囲まれた海洋国家である日本では、海洋資源に関する関心が高く、政府も海洋基本計画の策定、内閣府の総合海洋政策本部創設などを行っていますが、海洋資源に関する技術はまだ研究段階で、ほとんどが欧米技術を使っている状況です。

次世代センサ協議会では海洋で必要となる技術開発を計測センサの面から支援すべく、海洋計測センサシステム研究部会を2014年に正式の研究部会として発足させました。今までの計測では考えられない課題を調査し、解決策を提言、必要に応じて海外関連組織との連携も視野に入れた活動を行います。


IoTセンサ技術研究会

IoT、AI、ビッグデータなどの利活用が盛んに叫ばれていますが、ビッグデータにおける正確、効率的なデータ分析や予測のため、センサの複合化や高度情報処理化、ワイヤレス化などセンサ技術の高度化も加速する必要がでています。

センサはIotを支える重要な基盤技術として認識されながら、IoTのセンサ技術に関して情報交流する場がなく、次世代センサ協議会が「IoTセンサ技術研究会」を設立し、センサに関して、クラウドが必要とするオープンな新しい計測情報の実現を目指します。


SUCSコンソーシアム

SUCS (ザックス) はすべての人が安全・安心で利便性の高い生活を送れ、幸福感に満ちた世界をつくるため、多様なセンサデータを簡便に且つ高いコストパフォーマンスで使うことができるセンシング系を提供します。


スコットランドとの連携活動

スコットランドは連合王国(イギリス)の構成国の一つですが、国が産業育成の重点分野の一つとしてセンサ・センサシステム技術を選定し、戦略を策定して投資を続けています。一方、次世代センサ協議会も、日本のあらゆる産業と科学技術の発展の為には計測・センサ技術が不可欠との認識から、センサ技術の普及を図っています。

両者のビジョンが一致することから、スコットランドのセンサに関する産学連携の国の推進機関であるセンサイノベーションセンタ(CENSIS、グラスゴー大学)と次世代センサ協議会は覚書(MOU) を締結して、連携して両国のセンサ技術の発展に貢献する活動を開始しています。研究連携と事業連携が柱でSubsea やHelthcare 分野が中心です。


  1. 連携の内容
    (1) 研究連携:スコットランドと日本の大学で研究交流を進めたい。共同シンポジウム、研究者相互派遣、留学生相互派遣、共同研究など、大学レベルでの連携可能性を検討します。具体的候補テーマは Sub Sea 関連センサ技術の共同研究、 Health Care 技術開発、です。

    (2) 事業連携:スコットランドで開発されたセンサ技術・製品の日本での応用開拓あるいは事業担当企業の紹介をして欲しい。あるいは逆に、MEMS、Fiber Sensor などスコットランドのSub Sea やHealthcare などで有効な新しいセンサ技術を日本から紹介したい。

  2. Scotland のSensor Systems 開発の体制
    スコットランドではセンサに関して国がビジョンとコンセプトを持ち、次の3機関が一体となってセンサ産業の振興に取組んでいます。

    (A-1) Scottish Enterprise (SE) スコットランド開発公社
    産業政策の立案を行っています。この中で、競争力を確立でき経済成長の可能性がある3つの技術分野の一つとしてセンサ技術を選定し、海洋エネルギー、医用、製薬などの選択した成長分野に活用するビジョンとコンセプトをまとめています。各分野で必要とするセンサシステムも選択しています。

    (A-2) Scottish Development International (SDI), スコットランド国際開発庁
    SE の国際部門で実際の産業振興策を行います 。SDI では開発資金の補助、資金の導入の支援などを行っています。 連携の窓口は Japan office 松枝晃氏です。

    (A-3) Innovation Center for Sensor and Imaging Systems(CENSIS)
    センサおよびイメージングシステムは多様な産業分野の基盤です。従来センサ関係の産学連携組織としてScottish Sensor Systems Centre (S3C)があり、大きな成果をあげていました。ここが2013 年6 月に発展改組されてCENSIS が設立されました。センターは大学と産業の研究開発のギャップを埋め、技術の移転を促進して新たな製品をもたらすことを目指しています。ここには12 のスコットランドの大学と業界の22の パートナーが参加しています。グラスゴー大学が主導学術機関で、10 百万ポンドのコア資金を管理します。

  3. 連携活動の例
    (1) SDI と次世代センサ協議会の情報交流会 (2013 年3 月)
    スコットランドの主要センサ・センサシステムの企業 45社の紹介 
    (2) スコットランド・次世代センサ協議会 MOU 調印式と共催セミナー (2013年9 月)
    「スコットランド最新センサ技術とCENSIS・次世代センサのコラボレーション」
    (3) スコットランド センシング技術セミナー   (2013 年12 月)
    =海洋センシング・システム化技術=

  4. 参考資料
    (1) Scottish Key Sensor System Companies LIST ⇒ LISTを見る
    主要センサ企業45 社の一覧表(日本語版)
    (海洋・資源関係22、医用バイオ6、畜産1、分析測定器9、部品5、カメラ2)  

    (2) An Overview Scottish Sensor System Companies (45 社のShort form catalogs)
    日本語版 「スコットランド センサ・センサシステムの企業紹介」
    発行者 スコットランド国際開発庁、 協力者(連携先)次世代センサ協議会

    (本資料の電子版の入手方法)
    氏名、所属、メールアドレスを記載し、下記 次世代センサ協議会 事業委員会 にご連絡下さい。